今日、何気なくJR東日本の大人の休日倶楽部の会員サイト(私は会員ではないですが)を眺めていたら、会員向けツアーで「【贅なるひととき】雄大な景色を望む風景美術館「日本平ホテル」に約18時間滞在/美しき冬の富士山をゆったり満喫 2日間」というツアーを発見しました。
日本平ホテルは、いつか行ってみたいと思っていたホテルですが、このツアーは1泊2日で1人108,000円(ネット申込割引後)と決して安くありません。
「払う価値あるのかな?ツアーと同じコースを自分でアレンジしたら、どれくらいかかるのかな?」と思い、ツアーで組まれている旅程の交通費・宿泊費・食費・観光費用等を個別に調べて、ツアーの金額と比較してみることにしました。
JR東日の贅なるひととき
まず、JR東日本の「贅なるひととき」という旅行商品がどんな特徴をもったサービスなのか、押さえておきたいと思います。
同社のHPでは、以下のような特徴が記載されています。
宿・料理・温泉・観光 すべてにこだわり抜いた極上の旅がここに…
ご友人・親子・グループで「贅なるひととき」をお過ごしください--------------------------------------------------
「贅なるひととき」ならではのおもてなし
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すべてにこだわりを持った特別な旅をあなたに…大切な人と上質な空間で過ごす極上の時間をお楽しみください
- 〈厳選された宿泊施設をご用意〉「大人の休日倶楽部」がおすすめする旅館・ホテルでおくつろぎください
- 〈新幹線はグランクラスまたはグリーン車を利用〉ゆったり快適な列車の旅をお楽しみください※一部コースを除く
- 〈「大人の休日倶楽部」ならではのゆとりの行程〉 宿泊施設への到着は17:00までとなります
※祭りや花火、夜のイベント(列車クルーズ、列車中泊含む)等にご参加の場合を除きます。- 〈経験豊富な添乗員が出発前からサポート〉出発前コールから旅行終了まで
- 〈最少催行人員8名〉(募集人員:最大20名)
- 〈お帰りの宅配サービス付き〉(一部コースは往復)
- 〈各コース「こだわりポイント」をご用意〉
- 〈全コース国内旅行傷害保険付き〉(※国内旅行傷害保険付A)
こんな感じでありまして、基本的に贅沢しましょうという趣旨のようです。
そもそも大人の休日倶楽部は、子育てが終わった50歳以上を対象にした会員組織なので、全体的に旅行にもゆとり志向があるのだと理解してます。吉永小百合を起用したCMのあのイメージですね。
日本平ホテル宿泊ツアーの旅程
このツアーは首都圏在住の人が対象で、東京駅(または品川・新横浜)発着で旅程が組まれています。出発日は2025年1月7日(火)か9日(木)のいずれかの選択です。
旅程は以下のとおりです。
以上で1人108,000円(ネット申込割引後)です。 これをツアーではなく、個人旅行として実施した場合いくらかかるかを以下で確認したいと思います。
旅程の個別の料金
新幹線料金
新幹線は行きは東京駅から静岡駅まで、帰りは三島駅で乗って東京駅に帰る旅程になっています。それぞれ乗車時間は往路が1時間20分、復路が54分と大したことはないですが、それでもグリーン車利用です。さすが贅なるひとときです。
往路が乗車券+グリーン車代で8740円、復路が7070円で合計15,810円です。
宿泊
日本平ホテルの公式HPで、ツアーが実施される日の宿泊料金を調べました。部屋はツアーで使用される広さ45㎡の「日本平ツイン」です。
ツアーに該当するプランは不明ですが、公式HPで選べるプランが「静岡の名産を味わう。雲丹に金目鯛・静岡黒毛和牛!ふじのくに極コース~和食~」のみでした。料金は33,900円です。
食事
1日目の昼食
1日目の昼食は浮月楼という料亭です。ここは徳川慶喜公ゆかりの料亭とのこと。公式HPを見ると、食事をする場所は「料亭浮月」と「レストラン」に大別されています。どうやら建物が別のようです。
料亭浮月は、メニューを見る限りランチとディナーの区別はなく、一番安い懐石料理が13,310円で、そこから19,360円、25,410円、37,510円となっています。レストランは、多少カジュアルになっていて、3,993円、4,840円、6,050円、7,260円というメニューです。
旅程には、徳川慶喜公の屋敷跡と書いているので、レストランではなく料亭のほうでしょうね。なんといっても、極上・こだわり・特別・上質というキーワードを用いた旅行商品なので。
2日目の昼食
2日目の昼食は「まぐろ尽くし膳」という情報だけで、レストラン名は不明です。Chat GPTに聞いていくつか紹介してもらいましたが、贅なるひとときを楽しむには、ちょっとカジュアルすぎるレストラン(食堂)ばかりでした。
そんな中、「清水魚市場河岸の市」の、まぐろ館というのを見つけました。一つの建物に、まぐろを提供する食堂が10軒以上入っています。贅なる場所ではないですが、観光客向けの施設っぽいですし、富士山清水みなとクルーズの乗り場から車で3分程度なので、昼食はここでとると想定しました。まぐろ尽くしは複数の店が提供していますが、2000円程度みたいです。
各施設利用料
各施設の利用料も調べてみました。
1日目
日本平ロープウェイ・・・1,250円
公式HPによると、日本平ロープウェイは、日本観光地百選で1位に選ばれたこともある名勝「日本平」の山頂と徳川家康ゆかりの史跡「久能山東照宮」を5分間で結んでいる索道だそうです。
日本観光地百選で1位なんてすごいですね。どんな場所か、Google Mapで日本平周辺の画像を貼り付けておきます。富士山の眺めで有名な三保の松原のすぐ近く、海の間際で隆起している台地です。
久能山東照宮・・・800円
徳川家康公をお祀りする最初の神社で、当時の技術と芸術が凝縮された社殿は、平成22年12月に国宝指定されたとのことです。
2日目
富士山清水みなとクルーズ・・・2000円
清水港は、神戸港、長崎港と並んで日本三大美港のひとつに数えられるそうです。知りませんでした。
沼津御用邸記念公園・・・260円(クラブオフの割引適用後料金。元は410円)
大正天皇の皇太子時代の御用邸だったとのこと。今でいう、那須や葉山の御用邸にあたるんでしょうかね。それらが公園になって一般開放されたと思えば、イメージ的に近いでしょうか?
三島大社・・・無料(宝物館は拝観料500円)
創建の時期は不明ですが、古くより三島の地に鎮座し、奈良・平安時代の古書にも記録が残っているそうです。
旅程では入場観光とはなっていないので、有料である宝物館には立ち寄らないと思ってます。
その他の費用
レンタカー
二日間とも随所でバスによる移動があります。観光バスの値段を使うわけにもいかないので、レンタカー代で計算します。
オリックスレンタカーでのレンタカー代は2日間で7975円です(クラブオフの割引適用後)。国産セダンのクラスです。
贅沢にドイツ車というのも考えましたが(そうすると+10,000円以上)、あくまで比較対象が団体の観光バスなので、国産セダンでの比較で良いかなと思ってます。
手荷物宅配
贅なるひとときでは、帰りの荷物宅配サービスが含まれているので、それを含めます。4,180円です。
国内旅行傷害保険
私が保有しているSEIBU PRINCE CLUBカードセゾンゴールドは、国内旅行傷害保険が自動付帯しているのでコストはかかりません。
個人手配の場合の合計費用
新幹線 | ¥15,810 |
日本平ホテル | ¥33,900 |
浮月楼(料亭浮月) | ¥13,310 |
¥19,360 | |
¥25,410 | |
¥37,510 | |
まぐろ尽くし膳 | ¥2,000 |
日本平ロープウェイ | ¥1,250 |
久能山東照宮 | ¥800 |
富士山清水みなとクルーズ | ¥2,000 |
沼津御用邸記念公園 | ¥260 |
三嶋大社 | ¥0 |
レンタカー | ¥7,975 |
手荷物宅配 | ¥4,180 |
国内旅行傷害保険 | ¥0 |
料亭浮月を除く、上記各料金の合計は68,175円です。
料亭浮月で一番安い懐石料理(13,310円)を頂けば、合計は81,485円。ツアー料金より26,515円安いです。一番高い懐石料理(37,510円)を頂けば、合計が105,685円となり、ツアー料金との差は2,315円に縮まります。
これらは1人当たりの料金なので夫婦2人で旅行すれば、差額は2倍になります。以上から、個人で手配した方が安くなる可能性が高いと思っています。
結局どちらがいいの?
旅全体のコストは個人で手配したほうが安くなる可能性が高いですが、ツアーは添乗員がいて、参加者は付いて行くだけでいいという気楽さがあります。ツアー中は常にお客様気分が味わえるでしょう。
パックなので旅行会社で支払いを済ませば、上記に記載されている場所でいちいち支払を行う手間も省かれます。また「【贅なるひととき】雄大な景色を望む風景美術館「日本平ホテル」に約18時間滞在/美しき冬の富士山をゆったり満喫 2日間」と冠したツアーに参加したという満足感も得られると思います。
上記とは毛色の違う点ですが、今回のツアーでは、往路が静岡駅着、復路が三島駅発です。個人でのレンタカー利用を考えると、両方の駅近くに営業所があり、借りる営業所と返す営業所の使い分けができるかという技術的な課題もあります。ツアーであれば、こういった点も柔軟に対応できます。
以上、ツアーにするか個人手配にするかは、こういった点をどう考えるかも重要な要素だと思います。
今回の記事は、自分の判断のために書いたという性格が強いですが、もし読んでくださった方の参考に多少なりともなれば、嬉しいです。